世界保健機関(WHO)が、喫煙シーンのある映画やドラマについて「成人向け」に指定する措置をとるよう、各国政府に勧告しました。
若者を喫煙に誘導する可能性が高いからだそうです・・・!?('д')ァン?
私自身が喫煙者だし、しかも映画に大きな影響を受けて育ったタイプなので、この一方的な決め付けの根拠は何なんだろう?って考えさせられました。
そこで、ネット上の声にも耳を傾けながら、この勧告についてあれこれ述べていこうと思います。
世界保健機関(WHO)の勧告内容の趣旨は?
今回の勧告の内容は、喫煙シーンのある映画やドラマが、若者を喫煙に誘導する効果が高いと指摘する報告書を発表したものです。
それとともに、該当する作品を「成人指定」にするよう、各国の政府に勧告、すなわち、一定の措置をとるよう促しているんですね。
とりわけ、子どもや青少年が影響を受けて、喫煙に興味をもつだろうことを警戒しているみたいで、アメリカでの調査結果を提示しています。
それによれば、新たに喫煙者となった青少年の37%が、映画やドラマに影響を受けて吸い始めたとされているんですね。
だから、子どもや青少年が対象とされる映像作品には、喫煙シーンを盛り込まないようにしようっていう狙いがあるわけです。
もっともその調査というのが、いつどこで、どんな形で集計されたのかは不明だし、信ぴょう性については何とも言えないんですが・・・(´・ω・`).。oO
勧告に対するネット上の反応は?
それでは、今回のWHOの勧告に対するネット上の反応について見ていきましょう。
これはやりすぎな感じするわw
遅くてもやらないよりはいいな
従う必要なんかない
こっち規制しろよ
ドラマや映画やで主役の奴とか憧れてマネしたくなるだろ
なるほど・・・賛否両論という状況ですね。いや、ちょっと反対意見の方が多いような印象です。
私の考えとしては、外からの刺激に免疫の少ない子どもや青少年にとって、確かに映画やドラマ、アニメなどから影響を受けるケースは多いと思います。
でも、喫煙シーを見たからといって、タバコに手を出そうとする若者がどれくらいいるかって話です。
「おぉ~、おれも今すぐタバコ始めよう♪」なんて思いますかね・・・?
いや、仮に思ったとしても、現代社会では嫌煙家が多い周囲の環境からの影響のほうが大きいように感じるんですけど。
それに、自分の経験上、タバコを吸うようになったきっかけは、映画とかドラマよりも、周囲の大人や友人からの影響のほうがはるかに大きいと思うんです (・ε・`。)
もちろん、国や生活環境、人間関係などによって異なるとは思いますが、映画の主人公がカッコよくタバコを吸っていたから始めましたって人、そんなにいますかね?
私に言わせれば、映画やドラマの喫煙シーンを見ようと、周囲の大人や友人が喫煙していようと、結局、吸いたい奴は吸うし、吸わない奴は吸わないんですよ (。-_-。)
WHOの今回の勧告とやらは、余計なお世話に思えるんですが・・・。
それに、先のネット上の声にもあるように、喫煙以上に社会に悪影響を及ぼしているものがあるじゃないですか。
例えば、飲酒は? これも日本では成人しないとダメだし、健康へのダメージも考えられます。
それより何より、飲酒運転、迷惑行為など、喫煙以上に問題行動へつながっていますよね?
喫煙シーンがダメだって言うなら、飲酒シーンや、格闘シーン、発砲シーンなどなど、青少年に悪影響を及ぼしそうなものなんて、ほかにいっぱいありますよ!
喫煙シーンを成人指定にするとあれもこれも観られなくなる
私が懸念するのは、喫煙シーンがあるからって十把一からげに成人指定にすることで、感受性の豊かな世代が、素晴らしい映像作品を観られなくなることです。
タバコに影響を受ける以上に、良い意味で想像力や思考力といった個性を構築するのに役立つ要素を備えた作品までシャットアウトするのは、かえって問題だと思います。
もしこの勧告に日本が従った場合、現実的にどのような状況になるかを危惧した人たちの声が次のようなものです。
ほとんどの創作が成人指定になりそうだな
今回の勧告は、あくまでも健康に関わる理由からですが、確かにこの先エスカレートして、飲酒シーンやらアクションシーン、はたまた運転シーンにまで話が及ばないとも限りません。
古き良き時代のアメリカ映画を筆頭に、日本の名作ドラマ、アニメに至るまで、ほとんどの映像作品を成人指定にするって言うんでしょうかね・・・もう、めちゃくちゃ ヽ( ̄ii ̄*)ノ
次元大介もサンジもポルコも刑事コロンボもカサブランカも、み~んな成人指定に昇格!って、んな無茶な話はないでしょってことですよ。
文筆の世界には「言葉狩り」なんてのがありますが、これはなんて言えばいいんでしょ?
「タバコ狩り」、「映像狩り」、「表現の自由狩り」?
それに、喫煙シーンによる弊害より、これらが思うように興行、放送できなくなった場合の経済的損失の方が深刻ですよ。
WHOの取り組みを批判する気はさらさらありませんが、今はただ、日本政府がこの勧告について、ことさら慎重に対応してくれることを祈るばかりです。
おしまいに・・・
えぇ・・・うまい表現が見つからないんですが、何と言うか、近ごろの若者に対して、ちょっと過保護すぎやしませんかって思います。
根本的な問題を棚上げして、どこか責任転嫁しているようにも感じるんですよね。
だって、悪いのは映像表現ではなくて、子どもたちに「悪いことだ、いけないことなんだ」と教え諭せない大人の責任なんじゃないのかなって思うんです (ノ´▽`)ノオオオオッ♪
何でもかんでも原因だから、悪影響があるからと規制ばかりしていったら、表現者はその手段を次々に奪われるわけで、その出がらしみたいな作品を観せられる若者には、本当に伝えたいことさえ伝わらない状況になるんじゃないでしょうか・・・。
なんかすごく世界の先行きに不安を覚えちゃいます。
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