2017年6月7日現在、一連の加計学園問題、いや疑惑について、これまでの経緯を時系列でまとめてみました。
何が問題なのかあやふやになっている方もいるようだし・・・。
行政を不公平にゆがめる権力と、それに阿(おもね)る官僚と、国家の裏側にうごめく黒く薄汚れた何かをイメージしちゃうこの疑惑。
なんだ、やっぱり日本ってこんな国なんだぁ~ってがっかりな印象です。
でも、このままうやむやに終わらせては絶対にいかん!って思うんですよね。
安倍晋三首相と加計学園の関係をおさらい!
この問題、というか疑惑については、加計学園と安倍晋三首相&昭恵夫人の関係を念頭に見ていけばわかりやすいかなぁ~、ということで、ちょっと書いておきます。
加計学園の理事長を務める加計孝太郎氏は、安倍晋三首相が自ら「腹心の友」と呼ぶ、自他ともに認める長年の友人です。
安倍首相がアメリカ留学していた頃に知り合ったと言われています。
いつ頃だろう?ってことで、ウィキペディア大先生に尋ねてみると、次のように書かれておりました。
1977年春に渡米し、カリフォルニア州ヘイワードの英語学校に通うが、日本人だらけで勉強に障害があると判断して通学を止め、その後イタリア系アメリカ人の家に下宿しながらロングビーチの語学学校に通った。
秋に南カリフォルニア大学への入学許可が出され留学、1978年から1979年まで政治学を学んだ。引用元:Wikipedia
なるほど、ということは、南カリフォルニア大学に通っていた1978年から1979年の間に、加計孝太郎氏と出会ったということでしょう。
今でもゴルフや会食といった付き合いが続けられ、別荘も近所に所有しているそうですから、よほど気が合ったのか・・・。
また、関係者の証言によれば、加計孝太郎氏について安倍首相は次のように語っていたそうです。
「加計さんは俺のビッグスポンサーなんだよ。学校経営者では一番の資産家だ」
2人の付き合いが学生時代から絶え間なく続いていたかについては判然としませんが、少なくとも現在では、公私分け隔てなく“良い関係”であると言えそうです。
2015年12月24日の安倍昭恵夫人のFacebookに、
「クリスマスイブ。男たちの悪巧み・・・(?)」
なんてコメントとともに公開された画像がこちら♪
左から、加計孝太郎氏、三井住友銀行副頭取の高橋精一郎氏、安倍晋三首相、鉄鋼ビルディング専務の増岡聡一郎氏。
また、2人の関係からでしょうか、安倍昭恵夫人も加計孝太郎氏との親交を深めているようです。
ワシントンやロサンゼルスの学校法人視察や、支援活動先のミャンマーにも同行しています。
さらに安倍昭恵夫人は、加計学園が神戸に運営する認可外保育施設「御影インターナショナルこども園」の名誉園長にも就任しているんですね。
そして・・・
例の森友学園の籠池泰典&諄子夫妻に、同園の見学を勧め、紹介したのも昭恵夫人であると言われています。
加計学園の獣医学部建設問題(疑惑)とは?
問題視されている、加計学園が経営する岡山理科大学の獣医学部の新設問題・・・。
疑惑の発端は次のような事実から浮上しました。
・37億円相当にもなる愛媛県今治市の市有地が無償譲渡された
・事業費192億円の半額、96億円を愛媛県と今治市が負担する
・愛媛県今治市は安倍政権によって2015年に国家戦略特区に指定されている
・過去50年以上認められていなかった獣医学部の新設が、安倍政権になった途端に認められた
しかもこの裏には、加計学園ありきで官邸主導によってプロジェクトが推し進められた気配が感じられるとして、野党や報道による追及を受けることになっていきます。
ざっくりですが、時系列にまとめてみましょう。
2007~2008年
加計学園から獣医学部新設の申し出を受けた愛媛県と今治市は、認可に向けて15回もの申請をしたが、日本獣医師会らの反対もあって却下されてきた。
2012年
第二次安倍政権が発足。
2014年
官邸主導の国家戦略特区の会合で獣医学部の新設が具体的な議論になる。
2015年6月4日
今治市と愛媛県が、国家戦略特区制度を利用して獣医学部の新設を提案する。
同年同月末
「獣医学教育特区」の設置が閣議決定される。
2016年12月
新設を「一校限り」で認めることが決定する。
この際、同様かそれ以上の提案を行った京都府と京都産業大学の申請は却下。
この後、急ピッチで工事が行われたのはご存知のとおり・・・。
テレビで観ましたが、東京ドーム4個分(だったかな?)の広大な土地には、じゃんじゃん建物が建てられていました。
2016年8月まで国家戦略特区担当大臣として務めた同じ自民党の石破茂氏でさえ、この急展開に疑問を呈しています。
「大臣が代わることでこんなに話が進むのは不思議」だと・・・。
「総理の親友であれば認められ、そうじゃなければ認められないという事実があったのなら、行政の公平性からして疑問」だと・・・。
そして最近の騒動の盛り上がりに向けて見ていくと・・・♪
2017年3月
参院予算委員会で追及を受けた安倍首相は、
「私はもし、働きかけて決めているんであれば、やっぱりそれは私、責任取りますよ、当たり前じゃないですか」
と関与を否定。
2017年5月17日
朝日新聞の報道により、当時の文科省内で通達された文書の存在が公表される。
「官邸の最高レベルが言っていること」
「総理のご意向だと聞いている」
といった、内閣府が大学設置権限を持つ文部科学省に対して圧力をかけたことをうかがわせる内容。
同日
この文書について、菅義偉官房長官が記者会見。
「どういう文書か。
作成日時だとか、作成部局だとか明確になってないんじゃないか。
通常、役所の文書はそういう文書じゃないと思う」
「こんな意味不明のものについて、いちいち政府が答えることはない」
として、“怪文書”みたいなものだと切り捨てる。
2017年5月18日
松野博一文科相が、
「特区に関する対応に向けた文書は作成された可能性はあると思う」
として、担当部局の職員に対して聞き取り調査を始めたことを明らかにする。
同日
朝日新聞の取材に対して、北村直人日本獣医師会顧問(元自民党衆院議員)が、文書の内容について事実だと語り、
「(北村氏が)政治パーティーで山本(幸三)国家戦略特区担当大臣と会って話をした」
などと書かれていることについても事実と認めた。
同日
日刊ゲンダイが、この問題の重要人物として、文部科学省の義家弘介副大臣と萩生田光一官房副長官の発言を載せた文書を公開する。
■松野博一文科相からのご指示事項
「教員確保や施設設備等の設置認可に必要な準備が整わない」
「31年4月開学を目指した対応をすべき」
■義家副大臣レク概要
「平成30年4月開学で早くやれ、と言われても、手続きはちゃんと踏まないといけない」
「やれと言うならやるが、閣内不一致(麻生財務大臣反対)をどうにかしてくれないと文科省が悪者になってしまう」
※ 4月27日号の週刊文春に、麻生太郎副総理兼財務大臣の言葉として、
「だから認可しなきゃよかった。俺は反対だったんだ」
と記載されている。
■10/4義家副大臣レク概要
「私が萩生田副長官のところに『ちゃんと調整してくれ』と言いに行く。アポ取りして正式に行こう。シナリオを書いてくれ」
■10/7萩生田副長官ご発言概要
「平成30年4月は早い。無理だと思う。要するに、加計学園が誰も文句が言えないような良い提案をできるかどうかだな。構想をブラッシュアップしないといけない」
同日
義家、萩生田両氏は、衆議院・農林水産委員会で野党からの追及を受けるも、
「文書の信ぴょう性が疑わしい」
として内容を否定。
2017年5月19日
萩生田光一官房副長官が、野党の質問に対して、
「本件について、ここまで詳しいやりとりをしたという記憶は私はございません」
などと回答。
そしてこの後、前文部科学事務次官の前川喜平氏が登場し、安倍政権とのバトルが勃発するかに思われたのですが・・・!?
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2017年5月22日
読売新聞が、2017年1月まで文部科学事務次官だった前川喜平氏が東京新宿の歌舞伎町にある「出会い系バー」に通っていたという内容の記事を掲載する。
2017年5月23日
前川喜平氏が朝日新聞の取材に対し、件の“怪文書”は、
「自らが担当課から説明を受けた際に示された」
として「事実」だと証言するとともに、
「(獣医学部の新設については)加計学園を前提に検討が進んだ」
「行政がゆがめられた」
などと語る。
2017年5月25日
前川喜平氏が、東京霞が関の弁護士会館で記者会見を開き、件の“怪文書”の存在と共有について、
「文科省の中で作成され、幹部の間で共有された文書で間違いない」
と、あらためて事実であることを強調する。
出会い系バーへの出入りについては、
「女性の貧困について調査するためだった」
との釈明をする。
2017年5月26日
菅義偉官房長官が会見で、件の“怪文書”について、
「出所不明で信憑性に欠ける」
とあらためて否定。
野党から要求されている前川喜平前事務次官の証人喚問についても、
「それは国会で決めることでしょ」
と、その必要性を切り捨てると同時に、出会い系バーへの出入りについては、「貧困女性の調査」との理由や、女性に小遣いをあげていたことなどを示し、
「ここはさすがに強い違和感を覚えたし、多くの方もそうだったのではないか」
「正直に言って、教育行政の最高責任者がそうした店に出入りして、小遣いを渡すようなことは到底考えられない」
と語る。
同日
松野博一文部科学相が衆院文科委員会で、前川喜平前事務次官の証言について、
「(前川氏の)ヒアリングを行う必要はない。文科省として文書の存在を再調査する必要もない」
と語る。
2017年6月2日
民進党が「加計学園疑惑調査チーム」会合で、例の“怪文書”の存在と共有を裏付けるメールを文科省関係者から入手したとして、その写しを公表する。
2017年6月5日
衆院決算行政監視委員会で、民進党の今井雅人氏が読み上げた上記メールの送受信欄にある10名の名前について、実在するか否かを問われた文科省の常盤豊・高等教育局長が、
「名前を挙げた人と同姓同名の職員は実際にいる」
と回答。
松野博一文科相は
「文書の出元や入手経緯が明らかにされていない」
として、あらためて再調査を拒否。
安倍首相も、
「文科相が言った通りだ」
と、事実関係を認めない意向を示す。
ちなみに、民進党が公表したこのメール文書は、フォント(文字の形)の不一致や、切り貼りした形跡などを挙げ、ネットユーザーの間では「捏造ではないか?」といった疑惑が浮上しているようです。
さてさて・・・
全体の印象としては、安倍内閣が一丸となって「ウヤムヤにしちゃおう」と協力しあってる感が満載ですね。
昨日の答弁では安倍首相も意味不明な回答で、事実上の回答拒否みたいな状態でした。
「賢明なほとんどの国民は納得している」
みたいなことを言っていたけど、してないよね?
これだけ奇妙な状況なわけだし、そもそも、疑われるようなことをしちゃダメよ!
そして、疑われたのなら、自ら積極的に、国民が納得のいく説明をするのが政治家の責任ってもんじゃあ~りませんか?
国会がこんなやり取りばかりで、議論すべきことがまったく先へ進まないのも大いに問題だけど、安倍内閣が積極的に責任を果たそうとしない姿勢も問題だと思います。
もっとも、安倍内閣に不利になるような偏向報道にも大いに疑問を感じますが・・・。
【追記・・・2017/7/30】
読者の皆様から、実に熱のこもった丁寧なコメントを多数いただいております。
誠にありがとうございます♪
事実関係に大きな影響を与えそうなご指摘もあり、実に興味深い内容ばかりです。
ぜひとも、記事の下の方にあるコメント欄にも目を通していただけると嬉しいです。
※ とくに、“文を加筆してほしい”さんのコメントとか!
また、私の足りない頭で考えた加計学園疑惑のあらましについて、なぜかほとんど報道されない事実も含め、
「これが真相じゃね?」
といったことをあらためてまとめてあります。
これまた長文だし、この記事とは違った時系列表なんかも載せてありますが、併せてお読みいただければご理解いただきやすいかと思います♪
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