加計学園疑惑の真相と問題点!7月24日衆院予算委員会の閉会中審査で明らかに?

 

安倍首相が出席することになって注目される衆院予算委員会・・・。

 

国民の納得が得られる答弁ができるかが焦点となる閉会中審査が、渦中の参考人らが出席する中で開かれました。

 

疑惑の中枢に位置するのは加計学園問題なのでしょう。

 

でも、その前の森友学園問題と、稲田防衛相、金田法務相、山本地方創生担当相、菅官房長官、萩生田官房副長官・・・といったお歴々への不信感も、今回の閉会中審査開会への道程となっています。

 

次々に指摘される内閣に対する疑念・・・。

 

これをどう払拭するかが窮地の安倍内閣&自民党の緊急課題だと思われるのですが、その行方が気になるところであります。

 

ただ、課題が多岐にわたるので、とりあえずは加計学園問題(疑惑?)を中心にまとめていきたいと思います。

 

 

獣医学部新設にまつわる状況を時系列に整理したい!

愛媛県今治市に獣医学部が新設されることになるまでの経緯について、そして加計学園に白羽の矢が立つまでの状況について、時系列にまとめてみました。

 

けっこうややこしいし、分かりづらい部分も多いので、言葉足らずの一覧になることをお許しくださいませ♪

 

<1983年>
今治市で高等教育施設用地手当て

<2007~2014年>
今治市&愛媛県共同で獣医学部新設を提案(構造改革特区)
計15回(2007~2010年の4回は「対応不可」、以降は「検討」)

<2013~2015年>
教育再生実行会議で、加戸氏から四国に獣医学部新設を要請

<2015年>
6月4日
今治市が獣医学部新設を提案(国家戦略特区)

6月30日
政府が新設について「既存大学では対応困難」などの4条件を閣議決定

12月
今治市が特区指定に

<2016年>
1月29日
今治市が国家戦略特区に正式指定

3月24日
京都府が獣医学部新設を提案(国家戦略特区)

9月5日
和泉洋人首相補佐官が文科省の前川喜平事務次官(当時)に「総理の代わりに言う」として手続きを急ぐよう求める ※

9月26日
内閣府が文科省に「平成30年4月開学を大前提に。これは官邸の最高レベルが言っていること」と指示 ※

10月17日
和泉補佐官が前川氏に「早く結論を」と要求 ※

10月21日
萩生田光一官房副長官が文科省に「総理は平成30年4月開学とおしりを切っていた」と発言 ※

11月9日
国家戦略特区諮問会議が「広域的に獣医学部が存在しない地域に限り新設を可能」とする規制緩和を決める

11月17日
山本幸三地方創生担当相が日本獣医師会幹部に規制緩和について説明

11月18日
内閣府が獣医学部新設のパブリックコメントを募った際、「18年度開設」と公表

12月
慎重論に配慮して獣医学部新設を1校に限定へ

<2017年>
1月4日
内閣府・文科省で告示制定、1校に限り公募開始

1月
加計学園が応募

国家戦略特区諮問会議で区域計画決定

1月20日
加計学園を事業者に認定

3月31日
加計学園が岡山理科大学獣医学部の設置認可を文部科学省に申請

5月17日
内閣府が文科省に「総理のご意向」などと早期開学を促したことが記された文書を民進党が国会で明らかに

5月25日
前川氏が記者会見し、「十分な根拠なく規制緩和された」と明言

6月24日
首相が神戸の講演で獣医学部新設を「2校でも3校でも、とどんどん認めていく」と発言

7月14日
京都産業大学が獣医学部新設の断念を発表

<2018年>
4月
開学予定

※ 文科省の公表資料、前川氏の証言に基づく

 

 

これらの経緯を、前愛媛県知事の加戸守行氏の証言をふまえて、できるだけフラットな頭で整理してみます。

 

・かつて(いや、これからも)、口蹄疫、狂牛病(BSE)、鳥インフルエンザといった、産業動物(家畜?)を媒体とする極めて大きな問題が発覚した。

 

・危機感を抱いた加戸氏は、対策に不可欠な獣医師の不足に着目。

西日本には専門家を要請する機関がわずかしかなく、四国に至っては皆無ではないかと・・・!

 

・獣医学部の新設の必要性を訴えるも、獣医師会(既得権益)による反発や、それに呼応するばかりの行政の仕組によって、ことごとく却下される状況・・・。

 

・そこには長年に渡って「告示」と称する規制がはびこっており、獣医学部を新設しても良いと手を挙げる学校もない・・・。

 

・そんな中、人脈(県議と事務局長が友人)というツテもあり、加計学園の獣医学部構想に「渡りに船」とばかりに飛びついた。

 

この加戸氏の話は理路整然と語られ、前回の話と比べてもブレがなく一貫しています。

私にはまったく違和感がありませんでした。

 

それは、加戸氏の記憶力も去ることながら、嘘がないからだと思います。

 

加戸氏は次のようにも語っています。

「ようやく実現する今の段階になって、総理に濡れ衣が着せられる状況に心を痛めている」

 

 

7月24日の閉会中審査で語られた加計学園問題の論点は?

これらの過程において、規制改革、打破を掲げる安倍内閣が前向きに動き出し、今日に至ったわけです。

 

加戸氏は、これら執念の働きかけの支えとして、加計学園の存在があったことも証言しています。

 

「加計学園ありきで話が進んだ」ことが問題視されているようですが、発案した愛媛県&今治市からすれば、加計学園しか話を聞いてくれなかったというのが真相のようです。

 

逆に言えば、加計学園の存在がなければ話にもならなかった・・・ということでしょう。

 

既得権益に固執した獣医師会の強力な政治力を前に、加計学園のような存在があったからこそ、話が前に進んだわけです。

 

 

では、どうして「加計学園ありき」が問題視されるのか・・・?

 

加計学園の理事長が、結果的にたまたま安倍首相の旧知の友だったというだけで、それを嗅ぎつけたマスコミや野党が、必要以上に疑惑の目を向けた・・・そんな印象が残りますね。

 

しかも、先の加古氏の答弁を引き出した自民党の小野寺五典議員によれば、

民主党の鳩山政権時代から今治市を構造改革特区に引き上げ、四国に獣医学部を新設することに一定の理解を示していたようです。

 

言わば、安倍政権はその意向を引き継いだ形なのだと・・・。

 

この指摘に対して民進党の議員からはギャーギャーと野次が飛んでいましたが・・・。

 

 

ただ、安倍首相の答弁についても、けっこうな疑問が残りました。

とくに、民進党の今井雅人議員からの質問に対する答弁です。

 

「加計学園が獣医学部新設の申請をしている事実を知ったのはいつか?」

という質問に対して、安倍首相は、

「(加計学園を事業者とすることを正式決定した)今年1月20日」

だと回答しました。

 

ここに違和感・・・!

だって、安倍首相は国家戦略特区諮問会議の議長です。

 

過去、加計学園の存在があったからこそ申請し続けたとする前愛媛県知事の加古氏の話から考えても、知らないはずがないわけです。

 

さらに、2016年夏以降に頻繁に行われる加計理事長との食事会やゴルフの機会に、これっぽっちも獣医学部新設の話が出なかったというのは、にわかには信じられません。

 

また、神戸の講演会で、

「(これからは)地域に関係なく、2校でも3校でも意欲あるところにはどんどん獣医学部の新設を認めていく」

との発言をしたことについて、今井雅人議員からツッコミを喰らいました。

 

複数の獣医学部の必要性はともかく、そもそも教鞭をとる人材が足りないから無理でしょ? と・・・。

そういう状況を分かってないの? と・・・。

 

今井議員の質問内容も上手とは言えないものでしたし、ツッコんでおきながら「ま、それはイイでしょう」と追及を終わらせたのもどうかと思いましたが・・・。

 

 

獣医学部新設について結局のところ何が問題になっているのか?

でも、これがややこしいんですよ。

次から次へ別の疑惑が報じられるもんだから、論点がいちいちズレまくっているんです。

 

安倍内閣に突きつけられた問題点という意味では共通ですが、追及するなら区別して別個に論じられるべきことなんですよね。

 

だから、まずは加計学園疑惑についてだけ書きたいと思います。

 

 

前述のとおり、加計学園ありきで獣医学部新設の話が進んだのは間違いないし、状況からして当然の流れだったと言えると思います。

 

ではどうして問題視されるのか、と言うと、加計学園の理事長が安倍首相の旧知の友だったから特別な意向が働いたのではないかという“憶測”からなのでしょう。

 

しかも、これをほのめかす、ある意味裏付けるかのような文書が次々に明るみに出てしまった・・・。

 

これらを口を揃えて否定した安倍内閣のお歴々の対応に問題があったんだと思います。

 

森友学園問題でもそうでしたが、

「忖度があったのか?」

という疑念に対しては、忖度される側の安倍首相自身が、

「忖度はなかった」

などと言い切れる話ではないはずです。

 

ここは素直に、

「いらない気遣いをさせてしまったのだとしたら、不本意だ」

くらいの発言にとどめて、状況を精査するとでも言っていれば、ここまで野党に言葉尻を捉えられることもなかったんだと思います。

 

また、民進党が文科省内部のやりとりとして公開した文書について、菅官房長官が「怪文書のようなもの」と発言した件・・・。

 

これも感情的になったがゆえの失言だったように感じます。

 

時期も時期だったし、面倒は起こしたくないという気持ちは分からなくもないけど、確証もないまま真っ向から否定するその姿勢を、隠蔽体質だと言われても仕方がないかもしれませんね。

 

 

というわけで、加計学園問題、いや騒動について、私の頭も混乱してきたので強引にまとめてみると、その内容は次のようになります。

 

・“加計学園ありき”は問題ではなく必然だった

 

・面倒を避けたいばかりにあやふやな説明で済まそうとする安倍内閣の傲慢さがアンチ報道に拍車をかけた

 

・そのあやふやな部分がフォーカスされ、前川前事務次官の発言を呼び込んでややこしいことになった

 

・そもそも世界の趨勢であるライフサイエンス研究の拡充を、既得権益を理由に政治力に物を言わせて阻む獣医師会の存在が問題

 

・これら奇妙な規制に風穴を開けようと尽力した安倍首相の姿勢は、本来なら評価されるべき

 

・面倒なことにフタをするのではなく、最初からありのままに説明していれば、ここまで大きな問題にはならなかったのでは・・・?

 

んん~・・・、こんなところかな・・・。

 

これに加えて、ダメダメな稲田防衛相や金田法務相の問題もあるから、野党やマスコミからの追及に拍車をかけてしまった感じですね。

 

もう少し上手に対応できたような気もするんだけど・・・。

 

今のところほかに頼れる人材がいない以上、安倍首相には今日の発言どおり、しっかり国民に向き合った政治をお願いしたいところであります。

 

カキナガラ、ヨッパラッチャッタ・・・(ο・д・)(・д・`ο)ネー