今インドで、青い色をした野良犬が増えていると話題になっています。
画像を観ると妙に鮮やかな青さをしていて、
「画像処理でもしたんじゃないの?」
とさえ思えるような姿なんですね・・・。
まるで、インドの信仰画から飛び出したような青さで、これを観た人の中には、
「シヴァ神の化身ではないか?」
なんて声も聞かれたそうな・・・。
でもこれは、明らかに異常。
一体何が起きているんでしょうか?
青い犬たちの画像&動画をチェック
話題になっている青い犬・・・。
まずはその姿をご覧いただこうと思います。
ね、あまりにキレイにムラなく青いことから、私でなくても画像処理だと疑ってしまいそうな姿です。
でも、動画で実際に動いている姿を観ると、画像処理などではなく現実に存在する犬たちなのだと、思わず言葉を失ってしまいます。
これらは、この地域の企業が川へ垂れ流している、染料を含む有毒塩化物が原因とされています。
野良犬たちは、この川で泳いだり、水を飲んだりすることで、このように目に見える形で身体に異変をきたしているんだそうです。
青い犬が目撃されている問題の場所とは?
問題になっている場所は、インド西部のマハーラーシュトラ(Maharashtra)州ナヴィームンバイー(Navi Mumbai)市にあるタロジャ(Taloja)工業地区だそうです。
ここに流れるカサーディ(Kasadi)川には、洗剤等を扱う企業が、染料や未処理の産業廃棄物を垂れ流しており、以前から問題視されているんだとか・・・。
現代の日本じゃちょっと考えにくい状況なんですね。
地図で見るとこんな感じです。
地図で眺めてみても何も伝わってこないですよね。
そこで、現場とされるカサーディ川周辺を衛星写真で観ると下図のような感じ・・・。中央の町並みを囲むようにうねっている一見道路のような茶色い部分に注目です。
この川、言われたせいでもなく、えらく濁った水質であることが見て取れます。
この辺りに住んでいる野良犬は、この川を泳いだり歩いて渡ったり、川岸でエサを漁ったりするんだそうです。
この川の水質がどんな状態にあるか・・・?
すごく気になる話がありました。
生化学的酸素要求量(Biochemical Oxygen Demand 略して「BOD」)という指標があります。
これは、水生生物が生きられるか否かに関わる数値なんだそうです。
1リットル中に3mgで人間が飲むには適さない
1リットル中に6mgで魚が死んじゃう
とされていて、カサーディ川には該当する物質が、1リットル中に80mgも含まれていることが検査結果に出ているそうです。
この汚染レベルは安全基準の13倍にも相当するって言うんですね!
影響は犬たちだけじゃなく、地元の漁師は数年前から州の環境汚染管理委員会(MPCB)に訴えていたんだそうです。
ただ、その結果ニオイは抑えられたものの、水質汚染のレベルは上昇する一方なんだとか。
MPCBの広報官によれば、
「環境破壊をしている者に対して行動を起こすべく、調査指示を出している」
そうですが、何年も野放しだったものがそうそう素直に解決されるでしょうか・・・?
地元企業との関係ってことを考えると、汚水だけじゃなくて”汚職”なんて言葉が頭をよぎっちゃいます。
コワイコワイ・・・。