クックパッドは危険?レシピが原因の健康被害はどんな罪や責任に問われる?

 

東京都足立区で、ハチミツ入りのジュースを与えられていた乳児が亡くなった件が波紋を広げていますね。

 

このニュースを知った人の多くが、「ハチミツ、乳児、離乳食」みたいなワードでネット検索をしたようです。

 

その結果、一般ユーザーから投稿されたレシピを掲載するWEBサイト上に、健康被害につながる危険なレシピが多数掲載されていることが発覚しました。

 

中でも最大手の「クックパッド」には100件以上の「ハチミツ離乳食」レシピが存在すると言うのですが・・・。

 

 

乳児にハチミツを与えてはダメな理由とは?

レシピ投稿サイトに掲載されている健康被害につながりそうな「危険なレシピ」・・・。

 

ハチミツを使った離乳食のほかにも、ユッケやレバ刺しのような規制されている生肉料理なども含まれているそうです。

 

生肉を使った料理が危険視される理由は、これまでにも数多く報道されたケースがあるので記憶に新しいところ。

 

でも、「ハチミツを乳児に与えてはいけない」ということについては、今どきの若い親たちの中には「知らなかった」という人が意外に多かったようです。

 

「1歳未満の乳児には、食べさせないよう気をつけてください」

 

こういった注意書きがラベルに記載されているはずだし、育児書や母子手帳にも書かれていることが多い事実なんですけどね・・・。

 

なぜダメなのか、ざっくりと説明すると、

「ハチミツにはボツリヌス菌が含まれている場合が多いから」

であります。

 

ボツリヌス菌は、ブドウ球菌とともに毒素型の食中毒菌として知られています。

 

ハチミツに含まれる程度であれば、1歳以上になれば体内で繁殖することはないので安全ですが、1歳未満の乳児の場合は腸内環境が整っていないため繁殖しちゃいます。

 

言ってみれば乳児特有の感染症で「乳児ボツリヌス症」と呼ばれるものなんです。

 

その症状には「神経麻痺症状」なども含まれ、重症化すると呼吸困難や呼吸停止を起こして命にかかわります。

 

また、潜伏期間には3日~30日程度と幅があり、重症化しなくても完治するまでに数ヶ月かかることもあるそうです。

 

「知らなかった」じゃ済まされない事態になる可能性が高いんですね。

 

ちなみに、このボツリヌス菌ってやつは耐熱性が極めて高いと言われています。

 

完全に死滅させるには「120℃で4分間」もの加熱が必要なんだとか・・・。

 

そんな手間をかける必要がある上に、それでも心配なものは心配なので、最初から与えないようにするのが一番ですよね。

 

子育てに際して注意するべきことはハチミツに限った話じゃありません。

積極的に情報を集める意識が必要なんだと思います。

 

 

健康被害の原因になったサイト運営者の罪や責任は?

 

さて、今回の一件が飛び火する形で発覚したのが、レシピ投稿サイトに掲載されている「危険なレシピ」の問題です。

 

これは、場合によっては健康被害につながるヤバい調理法のことですね。

 

もしこれらを原因として実際に健康被害が出た場合、そのサイトの罪や責任はどう問われるのでしょうか・・・?

 

「弁護士ドットコム」によれば、おおよそ次のように説明されています。

 

・レシピ投稿サイトの管理者の法的な責任を問うのは困難

 

この理由は、「サイト自体が情報の発信者ではなく、情報発信のための場を提供しているに過ぎないから」だそうです。

 

では、ヤバいレシピを投稿した人物に法的な責任を問うことはあり得るのか? ということですが、これもまた困難だと説明されています。

 

その理由は、「レシピを投稿する行為と健康被害との繋がりが希薄だから」だそうです。

 

問題になるのは「レシピと健康被害の因果関係の有無」なんですが、現行の法律においては抵触しないと判断されるのが一般的みたい・・・。

 

ちょっと分かりづらいですが、早い話が「利用者の自己責任で」ってことみたいですね。

 

WEBサイトが法的な責任を問われるケースとしては、

・他人の権利を侵害した場合

・誹謗中傷やデマを発信した場合

といった点が主なものだそうで、それ以外の事象については適用される項目自体がないってことなのかな・・・?

 

つまり、「信用問題」と「法的な問題」とは別ものだと・・・。

法律に謳っていないケースまで罰することはできないと・・・。

( ̄▽ ̄;).。oO

 

ただし、これだけネット社会が拡大している現状と、今回のような騒動が度々起こることを鑑みるに、今後は厳しくなっていきそうですね。

 

法律の解釈はもちろん、法案や改正の可能性だって大いに考えられると思います。

 

 

もっとも、法的な問題はないとは言っても、広告収入や企業との連携が柱になっている大手WEBサイトにとって、「信用問題」は絶対に解決しなければならないわけです。

 

報道によれば、クックパッドをはじめとする各社は、早々にチェックやシステムの改善に向けて対応を始めていますね。

 

これまでの疎かなチェック体制は否定できないし非難されても仕方ないところかと思いますが・・・。

 

今後、具体的にどのような対応と改善がなされるのか、そこが信頼回復の鍵になるんじゃないでしょうかね。

 

クックパッドは極めて優れたビジネスモデルの1つだと思いますが、このブログのような弱小とは違って、社会的な影響力が大きくなると運営管理もたいへんですね。

 

【参考】Yahoo!ニュース livedoorニュース Twitter Wikipedia