ネット上で「キリン氷結」というワードが話題になっています。
私もたまに飲んでいるチューハイの名称であります。
これを目にしたとき、私は当初、
「まさか、異物混入で回収とか・・・?」
なんて良からぬことを想像したんですが、よく見たら「キリン氷結のCM」となっていたんですね。
気になったんで調べてみたら、昨年2016年8月に公開された、TRIGGER制作のWEBアニメCMのことだったわけです。
このCM、わずか1週間ほどで非公開になっていたんですが、その理由が「ASK」なる団体などからの指摘によるものだったと判明し、ネット上がザワついているようです。
「ASK」も気になるし、問題のCMの内容も気になりますよね?
キリン氷結ウェブCMの中止を申し入れたASKとは?
まずは「ASK」とはなんぞや?ってところから調べてみました。
「ASK」とは1983年に設立された「アルコール問題全国市民協会」のことです。
正式名称を「特定非営利活動法人アスク」と言い、東京都中央区日本橋浜町を所在地としています。
2000年12月21日に、特定非営利活動法人(NPO法人)として登記され、ジャーナリストで「季刊ビィ」の編集長の今成知美氏が代表を務めています。
「アルコール薬物問題全国市民協会」という名称で広く知られており、アルコール問題の予防、その他の依存性薬物問題の予防に向けた活動をしています。
その目的は、
「アルコールをはじめとする依存性薬物の問題を予防し、人々の健康の維持・増進及び回復に寄与すること」
とされています。
代表の今成氏は「予防教育と社会規制」を重要視していて、
「正しい認識を広めるとともに、CM規制や警告表示など酒類を管理する社会的な枠組みをつくる」
ことを推し進めるべきだと主張されています。
酒もタバコもやる私としては耳の痛い部分もありますが、実に真っ当な目的を持った団体のようであります。
嗜好ってのは、その状況によっては往々にして他人に迷惑をかけるもの・・・。
それだけに、厳正なルールの元に管理されるべきだし、ある程度の規制という取り組みも必要でしょう。
では、この「ASK」が、キリン氷結のウェブCMに対して、何を問題視したと言うんでしょうか・・・?
キリン氷結ウェブCMの設定とその問題点とは?
訴えによれば、どうやら、未成年の飲酒を助長する恐れがある・・・といったことを懸念しているみたい・・・。
そこで、このCMアニメがどのような設定になっていたのかチェックしてみました。
CMに起用されているアニメのキャラクター設定は、上記画像の左から次のようになっております。
アンナ
25歳。美術大学を卒業後、グラフィックデザインを先攻していたが全く関係のない事務職に就職。しかしアニメ好きがこうじてイラストレーターになる。イラストレーターになってからは独特の絵柄が評価され現在はゲームのイラストを多く担当している。毎クールやっているアニメは全てチェックをし、常に自分の中のランキングをブログで公開している。そのブログの内容はかなり的確なので、ファンも多い。
チヒロ
21歳、大学3年生。何をやっても直ぐに人並み以上にできてしまうので、何かに打ち込むという事が特になかった。友人も多く、人付き合いは得意。就職は広告代理店に内定が決まっている。何かに熱中するという事がなかったが、タツヤの強引な進めでとあるソーシャルゲームにハマり、そこからサブカル、特にアニメや声優に興味を持ち出す。サキのライブに行った後、サキの様なアーティストを世に送り出したいという目標ができ、プロデューサーを目指す。
サキ
21歳。高校を卒業後、人を楽しませる仕事に就きたいと思い、某大手遊園地のキャストになる。ある日、姉であるアンナが何気なく流していたアニメを見てアニメでも人を楽しませる事ができると考え声優を志し、現在は声優、アーティストとして異例の早さで人気を獲得していく。持ち前の明るさ、愛嬌で歌、演技と共に人を楽しませている。ファンからはさちよ、さっちょ等の愛称で呼ばれ、ファンから絶大な支持を得ている。
タツヤ
21歳、大学3年生。チヒロと同じ大学で、DTM同好会に所属。デスクトップミュージックをこよなく愛している。DTMから派生し声優、アニソンにも興味を持ち今ではオタクカルチャー全般に精通する。自分の好きなものを周りに教え広める事を至上の喜びと感じるので、仲のいい友人には好きなものを、熱量を持ってお勧めする。ただ、自分の行為が押し付けがましい事も心の奥では気がついており、友人達が楽しむまで若干の不安を感じている。
引用元:animatetimes.com
こんなに細かいところまでキャラクター設定しているんですね・・・!
アニメの制作を担当したのは「TRIGGER」♪
以前、私が夢中になってしまったアニメ「キルラキル」を作った会社ですよね!
ま、それは置いといて、設定によれば登場人物はみんな成人です・・・。
これの何が問題だと言うんでしょうか?
実は、テレビCMがお酒等を扱う場合、「25歳未満の人物を広告モデルに起用しない」という暗黙のルール、「自主規制」が働きます。
これは不特定多数の人が視聴するテレビにおいては、未成年者にも少なからず悪影響を及ぼす可能性を考慮してのことです。
しかし、ウェブCMなどについては適用外とされていて、そこまでの自主規制をかけていないのが実情でした。
このことはけっこう前から指摘されていて、たびたび議論にもなっていたようです。
「ネットが普及している現状では、ウェブCMについても自主規制の対象にするべきでは?」
ってな話でしょう。
今回、「ASK」をはじめとする団体が指摘しているのは正にそこのところみたいです。
なにも「CMの放送を中止しろ!」なんていう乱暴な申し入れをしたんじゃなくて、たんに問題提起をしたってことなんですね。
それを受けてキリン側が自主規制に舵を切る判断を下した・・・という流れのようであります。
ネット上には「理不尽だ」、「アニメ制作の苦労も知らんで・・・」といった意見も多くありますけど、もちろんのこと「アニメだからダメ」なんて訴えているわけじゃないんですね。
個人的には残念な気もしますが、そういう時代になっちゃった・・・という話であります。
【参考】Yahoo!ニュース livedoorニュース Twitter