理系はなぜダイバーシティではないのか

日本社会で理系の女性が稀で特別であることを代弁するかのような言葉、「リケジョ」(理系女子の略で理系の学生や社員、研究者を示す)なんて言葉があるように、理系の社会はいまだに活躍する人数のほとんどを男性が占めています。今回は、なぜ未だに日本で理系がダイバーシティでないかについて解説します。

ダイバーシティとは

Diversityとは、直訳すると「多様性」を表し、雇用機会の均等や多様な働き方を指す言葉として使われます。人種、宗教、性別、価値観、趣味・嗜好等、様々な面での多様化を意味します。日本国内では、性別や障害等においての多様性として、この言葉が使われることが多い傾向にもあります。

なぜ理系には女性が少ないのか?

理系に女性が少ない理由は、3つ挙げられています。

  • 結婚や出産により、キャリアを離脱するため
  • 男性は理系に興味を持ち、女性は興味を示さないことが多いため
  • 教育方法が男性向けになっている可能性
  • 親や環境の影響

無意識のうちに、日本の教育では生まれつき男性が得意とする方法で教えている可能性がある、とも言われています。

昔は特にダイバーシティな世の中ではなく、親から進路選択の際に女性には文系を進められる傾向にあることも理由として挙げられます。

親からのプレッシャーというのは恐ろしいもので、たとえ男子学生であっても『東大事件,犯人は東海高校出身!「東大医学部へ行けずプレッシャーに」』というような事件を起こしてしまっています。

世界のダイバーシティ事情

世界各国に向けオンライン電子部品販売を行うRS Componentsのインフォグラフィック(ス)でまとめられている2019年の世界の女性起業家の割合調査によると、1位のウガンダとガーナが38%、続いてボツワナが36%とアフリカ地域の国がトップを占めています。後続の4位にアメリカ 35%、5位にニュージーランド 32%、6位のロシアが31%と先進国が続く中、日本はたった17%でした。

このように、世界においては文系理系に関わらず、日本は未だに女性の社会進出が遅れていると言われています。

将来の展望

少子高齢化や地球温暖化、気候変動、パンデミックなど、今世界が抱える問題の解決策として、テクノロジーに頼らざるを得ない時代にあります。そんな時代に理系の男性だけでなく、女性がますます活躍し、分野に関係なくダイバーシティな世の中になっていくことが理想的です。