東京オリンピックなんてやってる場合じゃない。医療は未だひっ迫しているのに…
医療関係者からはこのような声もある中で、ついに東京オリンピックまで1週間を切りましたね。
世界各国から選手団が続々と到着している様子が連日報道されていますが、本当にこのまま開催しても問題ないのでしょうか?
コロナウイルス感染者の推移や日本政府の姿勢・オリンピック開催のメリット・デメリットなどいくつかの方面から、オリンピック開催によって生じる私達への影響や、このままオリンピックを開催すべきなのかを今一度考えてみました。
コロナ感染者数の現状
オリンピック開催にあたり、わたし達一般人が1番懸念するのはやはりコロナウイルスでしょう。
そもそもコロナウイルスがなければ、延期もオリンピック開催の是非を議論することもなかったはずです。
コロナウイルスが流行している今、私たちが抱える不安は次のようなものでしょう。
- 外国から来た選手が日本にウイルスを持ち込むんじゃないの?
- オリンピック開催によって人の流れが増えて感染者数が増えるんじゃない?
それもそのはずです。
東京オリンピックまで1週間をきったこの時期に、日本国内での感染者は増加傾向にあるのですから。
ここで、最近の感染者数の推移を見てみましょう。
日付 | 感染者数 |
7/19 | 727人 |
7/18 | 1008人 |
7/17 | 1410人 |
7/16 | 1217人 |
7/15 | 1038人 |
7/14 | 1149人 |
7/13 | 830人 |
画像引用:https://news.yahoo.co.jp/articles/dc3a9822036294594609dc681179491e223c61a5/images/000
データ引用:https://www3.nhk.or.jp/news/special/coronavirus/data/
ここ一週間の感染者数の週平均は1000人を超えています。
そんな状況でのオリンピック開催となれば、開催国の国民として不安を持つことは当然といえます。
とはいえオリンピックは予定どおり開催される見通しです。
日本政府の姿勢とオリンピック開催のメリットデメリット
世論調査では、実に7割以上が中止すべきと考えているというデータさえあります。
国会でも、中止すべきではないですか!?と首相が責められている場面もありました。
また、オリンピック中止を求めるデモも開催されています。
日本国民がこれほど反対している中で、なぜ日本政府はオリンピック中止の検討を頑なに行わないのでしょうか?
それは、オリンピックを開催するか中止するかの決定権が日本にないからです。
え!?日本でやるのに日本が決められないの!?という思いを抱く方もいるかもしれませんが、そうなのです。
じゃあ、決定権はどこにあるのか?
それはIOC(国際オリンピック委員会)です。
オリンピックを開催するか否かはIOCが決めるから、日本は決定に従いなさい。オリンピックに際して、損害を被ることがあってもIOCは助けません。
簡単に言うとこういう趣旨の契約書に、日本はサインしてしまっているため、今更どうしようもないというのが現状です。
契約書の詳しい内容はコチラで確認できます。
選手に被害が出そうな状況なら、IOCが中止の検討もできるという内容ですが、コロナウイルスの流行はその要件ではないという判断のようですね。
では次に、オリンピックを開催することで日本に生じるメリットとデメリットについて考えてみましょう。
オリンピック開催のメリット
まずはメリットですが、以下のようなことが考えられます。
- 経済的損失を最小限に抑えられる
- 世界的な大会を見られるという高揚感
順番に解説していきましょう。
経済的損失を最小限に抑えられる
オリンピックは、開催国にとって大きな経済効果をもたらすものでもあります。
オリンピック開催によって行われる建設工事のための雇用増大や観戦のために来日する外国人観光客の増加による観光産業の活性化やそれに伴う様々な収入増加などの効果によって日本にもたらされる経済効果は1兆円を超すものだとされていました。
しかし、コロナウイルス感染者数の多い1都3県ではすでに無観客開催が決定しまいます。
とはいえ、中止の場合の経済的損失が1兆8千億円とされていたのに対し、無観客開催の場合の経済的損失は1,470億円に抑えられるとされています。
さらに、上記の数字はすべての会場で無観客開催となった場合の試算のため、実際はこれよりも少ない損失で済むようです。
世界的な大会を見られるという高揚感
無観客開催の会場はありますが、それでも直接観戦する機会がなくなったわけではありません。
コロナ対策をしながら、世界大会を見に行くことも可能です。
スポーツ観戦が好き、該当の競技が好きという場合は、またとない最高の機会でしょう。
また、自国開催ということは時差を考えなくて済みます。
テレビで観戦する場合でも、ほとんどの場合、深夜に頑張って起きて見るということをしなくて良いということです。
やはりオリンピックは、アスリートだけでなく、スポーツ好きにとってもかなり楽しみな大会であることは間違いないでしょう。
コロナウイルスの流行に伴って、過去の大会よりも歓迎されていないムードは確かにありますが、それでも大きなメリットはありそうです。
オリンピック開催のデメリット
次にデメリットですが、これはなんと言ってもコロナウイルス感染の機会が増えることでしょう。
またコロナウイルスの流行により医療がひっ迫している中で、オリンピックに医療人材が持っていかれてしまうのも大きなデメリットかもしれません。
日本はコロナウイルスの流行が始まってから、経済を犠牲にして国民に多くの行動制限を強いてきました。
その甲斐もあり、世界的に見れば日本はコロナウイルスの感染者数をかなり抑えることができていると言えるでしょう。
しかしオリンピックを開催することで、これまでの国民の我慢が無駄になるもしくは、効果が薄れる可能性は否定しきれません。
さらにオリンピックの医療スタッフは、約7,000人とされています。
当初の10,000人からは3割ほど削減され、国内の医療体制に影響の出ないカタチで募集するとしていましたが、実際のところ普段の医療体制に影響がないかどうかは医療従事者の体感を聞いてみないことには判りませんね。
オリンピックには様々なメリットがありますが、今大会ばかりはデメリットの大きさに目がいっていまいます。
世論に反して大会を開催するほどのメリットは果たしてあるのでしょうか。
まとめ
今回は、コロナウイルスが流行している最中でこのままオリンピックを開催してもいいのか?というテーマで記事を書いてきました。
感染者数の推移やオリンピック開催のメリットとデメリット、さらには世論を鑑みると中止すべきという意見・感情が高まっているように感じます。
しかしながら、日本にそれをコントロールする権限はないのでどうにもならないというのが実情。
オリンピックという大会自体は、とても歴史があり、世界中で楽しみにされている行事です。
だからこそ、世論を無視した強行突破のような開催の仕方がIOCの独断でできてしまう体制に疑問を感じざるを得ません。
大きなお金が動く、重要な機会であることは素人目からみても理解はできますが、人命よりも大切なものはないはずです。
今一度、開催を強行していいものか考えてみてほしいものですね。