バナ・アラベド(シリア)の現在は?英国情報機関のプロパガンダに利用との噂も

 

アメリカのタイム誌による今年の「インターネット上で最も影響力のある25人」の1人に選出された8歳のシリア難民の少女、バナ・アラベド(Bana Alabed)さん・・・。

 

ツイッターを使って、世界メディアが取材できないシリア内戦の惨状を発信してきました。

 

昨2016年の後半から度々話題になっていたバナさんですが、現在はどうしているんでしょうか・・・?

 

また、彼女の存在に疑問を抱く人も多数いて、

「イギリス情報機関のプロパガンダ(政治的思想誘導)に利用されている道具」

とまで決めつける意見もあるようなんですが・・・?

 

 

バナ・アラベドさんのツイッターアカウントについて

さっそくなんですが、バナさんの現在のツイッターアカウントを覗いてみました。

 

出典:twitter.com

 

 

 

現在のフォロワー数は37万人に届きそうな勢いです。

「インターネット上で最も影響力のある25人」に選ばれたことで、さらに注目を集めるでしょうから、さらにググ~ンと伸びるでしょうね。

 

ちょっと渋い顔をしたバナさんのアイコン画像の下には、次のように書かれていますね。

 

『8 years old refugee girl. Survivor of bombs and war. Account managed by mom.』

 

私、英語がダメなんでグーグル翻訳で訳してみたら、下記のようになりました・・・。

 

『8歳の難民の女の子。 爆弾と戦争の生き残り。 ママが管理するアカウント。』

 

そう、これ、お母さんのファテマさんが管理しているアカウントなんです。

 

左に映っているのがファテマさんかな・・・?

 

バナさん達が住むアレッポ東部は反体制派が支配しているシリア内戦の激戦区・・・。

シリア政府軍が奪還を目指して戦闘が激化・・・。

 

そんな中、2016年9月末に、お母さんのファテマさんが、

「この現状を世界中の人に知ってもらいたい」

との意向から、このツイッターアカウントを開設しました。

 

 

 

170点以上の画像が掲載されていて、空爆などによって破壊された町の惨状や、それを背景にメッセージを訴えるバナさんの姿が印象的です。

 

この当時、バナさんはまだ7歳・・・。

 

お母さんの意図をどれくらい理解して共同作業しているのか知りませんが、世界に与えるインパクトはかなり大きいものでしょう。

 

とくに、そんなバナさんがシリア政府やロシアによる空爆をやめてほしいと訴える姿は・・・。

 

 

バナ・アラベドさんの現在は?ささやかれる不穏な噂とは?

2016年12月4日、ファテマさんはこのツイッターアカウントに、

「軍が私たちのことを捕えようとしています。親愛なる世界の人々、いつかお会いしましょう」

というメッセージを残したのを最後に、アカウントにアクセスできない事態となります。

 

この前週、政府軍がアレッポ東部に進軍・・・。

ファテマさんは自宅が爆撃を受けたとして、砂埃にまみれて真っ白になったバナさんの画像を掲載していました。

 

それだけにフォロワーは安否を心配していたんですね。

 

でも、翌々日6日、削除されたと思われていたアカウントは復活。

 

バナさんは、

「こんにちは、お元気ですか? 私は無事です。爆撃が激しすぎて薬はないけど回復中です」

とのツイートをしています。

 

 

やはりケガでもしていたんでしょうね・・・。

 

それから約2週間後の12月19日、バナさん家族はトルコのNGO「人道支援基金(IHH)」によって、アレッポから無事に救出されました。

 

現在はトルコに逃れたものの、そこからシリア難民の救済を訴え続けています。

 

 

ただ、この一連のバナさん報道にイラ立ちを隠せないのがバッシャール・アサド政権・・・。

バナさんが続けているツイートについて、プロパガンダだと非難しているんですね。

 

さらに、政府寄りのシリア人活動家マイザム・アル・アシカルなる人物が、

「バナさんのツイッターアカウントがイギリスの情報機関によるプロパガンダだと確信している」

と言っています。

 

ちょっとよく分からないんだけど、このアシカル氏が、バナさん親子を救出する提案をしたんですって。

 

で、準備を整えてバナさんらの代理人を介して、アカウント管理者(ファテマさん?)との交渉を始めたんだそうな・・・。

 

ところが、この管理者は母国語のアラビア語のメッセージには一切答えず、英語ばかりを使っていたって言うんですね。

 

しかも、あれほどツイートしていたアレッポへの砲撃を、恐れいている様子がなかったんだとか・・・。

 

さらに、バナさんのアカウントはイギリス政府から資金提供を受けているNGO「ホワイト・ヘルメット」と緊密に連携していて、このアカウント自体がイギリスで登録されたものだと言っています。

 

 

バナさんのツイートが純粋に難民救済を訴えるものなのか、はたまたどこかの誰かさんのプロパガンダなのか・・・?

 

どちらを信じるかはあなた次第ですって感じでしょうか?

 

 

ちなみに過去の例として・・・

イラク戦争前の1990年10月、イラク軍による非道な行いを涙ながらにメディアで訴えた“ナイラ”と名乗る15歳の女性がおりました。

 

これが湾岸戦争へ突入する布石となったと言われています。

 

ところが、クウェート解放後に、この訴えが虚偽であり、ナイラなる女性が実は当時のクウェート駐米大使の娘であることが判明します。

 

つまり、すべてがでっち上げのお芝居だったと・・・。

 

要するに、イラクに対する武力行使の大義名分として活用された、プロパガンダの前例になったんですね。

 

 

これを思い起こした人たちの中には、今回のバナさんの件もその類ではないかと懐疑的な目を向けている人もいるみたいです。

 

私は、この小さな女の子が、どっかのわけわからん人たちに利用されたりしていないことだけを願いますが・・・。