積丹岳遭難の事故や訴訟の経緯は?道警の賠償確定に世間の反応は?

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毎年毎年、雪山シーズンになると必ずと言っていいくらい増える遭難事故・・・。

ニュース報道を目にするたびに複雑な心境にさせられます。

 

そして今回、さらに考えさせられる報道がありました。

それが、2009年1月から2月にかけて発生した、北海道の積丹岳(しゃこたんだけ)の遭難事故に伴う裁判の判決であります。

 

亡くなった当時38歳の男性の遺族が、北海道を相手取って損害賠償請求したこの騒動・・・。

 

結果的に、北海道警察の山岳救助隊の過失を認め、遺族側への約1,800万円の損害賠償の支払いが命じられました。

 

今後、登山家やスキーヤー&スノーボーダー、そして山岳救助に携わる人々に様々な影響を与えそうです。

 

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積丹岳の遭難&滑落事故と裁判の経緯は?

今回、警察の山岳救助に過失が認められ、賠償命令が確定したという珍しいケース・・・。

 

この発端となった事故の経緯と、当初の裁判について振り返ってみようと思います。

 

まずは遭難時の状況と、過失があったとされる救助活動についてです。

 

【遭難&滑落事故の経緯】

・2009年1月31日、札幌市の当時38歳男性が、友人2人とスノーボードをするために積丹岳(1,255m)に入山。

・午後、男性が友人とはぐれて道に迷い、山頂付近でビバークする。

・2月1日早朝から捜索開始。

・正午頃、北海道警察の山岳救助隊が、意識朦朧とした男性を発見。

隊員が交代で男性を抱えて下山する中、雪庇(せっぴ)を踏み抜き、男性と隊員3名が斜面を約200m滑落。

※ 雪庇・・・風下方向にできる雪のかたまり。崩落しやすく、尾根に見られる雪庇は、時として滑落の原因となるそうな・・・。

参考:Wikipedia

 

・救助隊の捜索により男性らを発見し、ストレッチャーに固定して崖上に引き上げようとする。

作業を交代するためにストレッチャーをハイ松(這松:高冷地に生えている松)に固定したところ、ハイ松が折れて男性を固定したストレッチャーが滑落し、再び不明になる。

悪天候により当日の捜索は断念。

・翌2月2日朝、崖下の標高約1,000m付近でストレッチャーに固定された状態の男性を発見。

ヘリコプターで搬送されたが、病院で死亡を確認。

死因は凍死。

 

なんとも痛ましい状況であったことが判ります。

 

発端は誰が何と言おうと、スノーボードにやって来た男性にあります。

 

でもその後の救助活動には運の悪さも感じてしまいます。

 

ちなみに、遭難事故があった積丹岳とは、こんな場所にあります。

 

 

そして裁判の状況について見てみますと、次のような判決だったそうです。

 

【裁判の経緯】

・男性の両親らが北海道に対して8,600万円の賠償を求めて札幌地裁に提訴。

・男性の死亡が救助隊員の救助活動上の過失によるものだと訴えた。

<争点>

・救助活動は適切だったのか?

・男性の死亡原因は救助活動と関係があるか?

・登山者として男性側には過失があったのか?

など・・・。

<一審判決>

2011年11月19日の札幌地裁の判決は、

「死亡男性の過失を8割と認めるものの、死亡原因は救助活動の過失が誘発したと認定。

北海道側に約1,200万円の支払いを命じる。」

というもの。

<判決事由>

■救助隊の過失

男性の発見場所付近に雪庇があることを認識しながら、常時コンパスで位置を確認しながら進むというような慎重な方法をとらなかった。

雪庇を踏み抜き滑落したことにより、男性の健康状態は著しく悪化し、たとえその後、ストレッチャーを引き上げていたとしても死亡していた蓋然性(がいぜんせい)が高いと認定。

※ 蓋然性・・・ある事柄が起こる確実性や、ある事柄 が真実として認められる確実性の度合い。

よって、救助隊員が合理的な進行方法をとらなかったことと、男性の死亡との間には因果関係があると結論。

■死亡男性の過失

・天候が崩れる可能性を認識しながら山頂までの登山を敢行した。

・冬季の積丹岳の天候が変わりやすいことを知りながら、天気予報を十分に確認しなかった。

・ビバークに適さない山頂付近でビバークした。

・下山方向を誤った。

・破れやすいツェルトによるビバークをしたため低体温症に罹患した。

・雪庇に近い場所でビバークしたため救助隊員が雪庇を踏み抜く過失を誘発した。

など・・・。

■賠償額の相殺

死亡男性の過失を8割と認定して相殺し、賠償額が請求された8,600万円から約1,200万円に減額された。

 

その後、控訴された2015年3月26日の札幌高裁では、男性の過失が7割に削減され、賠償額は約1,800万円に増額されました。

 

そして今年2016年11月29日付の最高裁で、北海道側の上告が退けられ、この二審判決が確定したという流れです。

 

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賠償金支払い命令に世間の声は・・・?

この判決確定で、男性の両親が残したコメントが、なんとも言いようのない後味を感じさせます。

 

「警察には、どうしたら頼りがいのある救助隊になれるのか考えてもらい、二度と息子のような犠牲を出さないでほしい」

 

そりゃね、警察は税金で賄われている組織ではあります。

でも、趣味を楽しむ目的で危険な冬山に入り込んだのは男性の勝手なわけです。

 

それを立場上、仕事の一環とは言え、さらに危険を承知で救助に向かった隊員たちを思うと、なんだかやり場のないモヤモヤを感じちゃいます・・・。

 

ネット上に残されたコメントには、憤りすら感じる内容のものが目立ちます。

 

A さん
親御さんの無念な気持ちも、分からないではないが、
民間の山岳会とで、協力してくれる人が いなくなりそう
少なくとも私なら、二度と出動要請に応じたくない。
B さん
あってはならない救助の失敗は確かだけどね。
でも、最高裁までもつれるなんて、救助しようとした側もやるせない
C さん
亡くなった方は気の毒に思ったけど、滑降禁止区域に入って滑ってた責任はどうなる?
D さん
そもそもスノボで山に入って遭難。。。
スキー場な訳でもないし、文句言えるの?
救助隊だって命がけで助けたいと思ってるが残念な結果になることもある。
そんな危険な場所に行くなと思うのは私だけ?
E さん
道警が可哀想だわ。
だったら家族が救助に行けば良かったのに。
F さん
命を賭けて救助に行って失敗する事もあるでしょう、山に入りスノボでコース逸れたのは自己責任だと思います。
賠償問題が出てくるならこれから先隊員の命を優先して救助拒否があっても誰も文句言えなくなりますね。

 

札幌高裁の判決では、山岳救助が警察の責務であること、救助活動に過失があったことなどを判決理由に述べているそうです。

 

そもそも遭難が起きなければ過失も生じないわけです。

 

その遭難を起こしたのは誰で、その目的は何だったのかを考えたとき、どうしても頭に浮かぶのは「自己責任」という言葉なんですよね・・・。

 

賠償金だって税金から支払われるわけで、道民の負担になるんでしょ?

 

なんだかとても複雑な気持ち・・・。

(_ _;).。oO

 

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    • カネコノブユキ
    • 2016年 12月4日

    自己責任論を持ち出したくは有りませんが、登山に関しては自己完結を前提に行動すべきものです。
    装備が悪い、天候が悪かった、食糧が不足だった等と言うのは言い訳にすぎません。全て当事者の判断力にかかっているものです。スノーボードやスキーにしろ冬の山を相手にするスポーツであれば冬山登山と同じ行動原理を実行してほしいものです。
    山に入ればどのような行動スタイルであってもアクシデントに遭遇する可能性は高いという事です。つまりプロの登山家でも遭難する確率50%を抱えながら登っているという事です。
    このことから考えてみると積丹岳の遭難事件は道警の救助隊に過失があるとは到底行きつきません。
    救助隊員は山スキーを履いて現場に向かっていますからピッケル・ザイル等登攀装備には限りが有りますからその事を争点には出来ませんし、時間との闘いのなかでの救助活動ですから無理を承知の行動も有りえるのです。
    結果的に被遭難者の救助に失敗しても道警救助隊に過失があったとするには無理があります。
    道警は損害賠償に応じるべきでは無い思いますし、ご家族には重い判断と思いますが賠償取り下げを願いたいと思います。

      • jiro
      • 2016年 12月5日

      カネコノブユキさん、コメントありがとうございます。
      深いご意見、つくづく納得・・・!
      おっしゃる通りだと感じます。

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